ファッションセンス

そろそろ寒くなってきた。ということで、冬用コートなぞ探しに街へ繰り出してみる。私は、大抵のものはスーパーで揃えるようにしている（安いし気軽だから）が、社会人にもなったことだし、たまにはデパートのようなところへ出かけてみるのもいいと思った。しかし、入るだけで高そうな雰囲気。こういうところで買い物バンバンする人って、どんな金持ちなんだろう、と思ってしまうが、顔の黒いネエちゃんとかも当たり前にうろついているし、よく分からない。

さて、とりあえず紳士服売場へ行ってみる。目的は、カジュアルにも着られて、スーツの上に着てもおかしくないハイブリッドなもの。まぁ、最近は普段着の上着をそのままビジネスにも着ている人は多いが、買うからには、やっぱし合うものを選びたい。紳士服売場には、さすがにスーツの上に着れば様になるものばかり並んでいた。しかし、普段カジュアルに着るにはちょっと、という感じ。ま、カジュアルに着る分には、去年まで着てたコートもあるわけで、今回はビジネス専用、と割り切って買うこともできるが...

一応、カジュアル売場にも行ってみる。意外に、結構それなりのものが揃っている。そうか、今までスーパーで買うときは当たり外れがあったのだが、こういう店は、どれを買ってもそれなりなんだなぁ、と改めて思った。ザッと売場を一周して、目欲しいものがありそうなコーナーに足を踏み入れる。どのコーナーにも店員が必ず一人以上待機していて、客が一歩でも入ってこようものなら、ここぞとばかりに商品を売り込んでくるか、さもなくば、５分かそこら客を観察して、大体欲しそうな商品の検討を付けて寄ってくる。こういうところは、本当に買う気があるときでないと来ちゃいけないな。

さて、とりあえず物色。色は大体グレーか黒、それに深い緑っぽいものに白。好みは黒だが、普段着にもしたいので、グレーっぽいのがいいのかな、とも思う。大体、私の持っているスーツは紺かグレー、普段着は白いシャツかチェック柄のシャツに、白系のジーンズだが、それらに合いそうな色。服を着こなすとき、５色以上を一緒に着ると「悪趣味」といわれるそうだ。大体３色以下に抑えれば、落ち着いて普通に見えるという。同系統の色は一色と見るとして、私はもとがあまり派手でない方なのか、コートは何色でもいけそうな感じ。

案の定、店員のおネエさんが寄ってくる。「今日はどういったものをお探しですか？」「普段着にも仕事にも着られるコート」「これなんかいかがでしょう？」持ってこられたのが深い緑っぽい厚手のコート。緑か。「他の色はないんですか？グレートか...」「少々お待ち下さい」...しばらく待って、「申し訳ありません、グレーはちょっとないみたいです。」「ありそうな色だと思ったんですけどね。」「あるのは白かカーキになりますね」「カーキ？」「あ、この色です。」ああ、この緑ってカーキっていうのか。「大体今売れているスタンドネックタイプのものはこれか、こちらになりますが...」別に襟立てようとは思わないけど、まぁ暖かそうだし、デザインは悪くないと思った。とりあえず着てみて、それなりに合ってたので買うことにした。

しかし、最近ファッションセンスに一般的なものってない気がする。何だか、何来てもOK？ただ、それには条件があって、それがいかにも安物であってはならないこと。要するに、高そうなもの着ていればオールオーケーだと。こんな日本人のファッション、どんなものなんだろうかね。

1999/11/18

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