４月。都知事に石原慎太郎が当選し、さて、この世紀末どうなるだろう、てところか。
ここにきて、ウチの妹が上京してきた。何でも声優を目指して、ある学校に通うことになったらしいが、どんなもんなんだろうか。夢を追うのは大いによろしい、とは思うが、貴奴にそんな才能があったとも思えないし。まぁ、成功するにしろ挫折するにしろ、人生のどこかで、自分の力で頑張ったという歴史くらいはあっても良いだろう。勝手にやってくれや。
もひとつ、私の元にあまり春らしくないニュースも一緒に飛び込んできた。地元で小中高と同級生だった友人が、原因不明で亡くなったとのこと。話を聞くまで知らなかったんだが、そいつは、二浪して、京都の某大学へ入学していたらしい。まぁ、よく頑張ったモンだ。私など、二浪もするパワーは、到底持ち合わせていない。まぁ、それはそれで良かったのだが、そいつが死んだ場所というのが、自宅（多分、アパートかなんかだろうけど）の風呂場だったそうだ。年寄りでもあるまいに、何でまたそんなリラックスルームで死んでしまったのか？滑って転んで頭でも打った？何にしろ、頑張った割りに損な死に方だ。私なぞ、おそらくその半分も頑張っていない。現段階で、いわば惰性で人生送ってるようなモノだし。
以前にも、私は、やはり同級生の友人が亡くなってしまう、ということを二度ほど経験している。一つは高校時代だった。球技大会で、バスケのプレイ中、彼は突然心臓発作で倒れた。すぐに救急車で運ばれたが、治療の甲斐なく帰らぬ人となってしまった。彼も、やはり努力家で、その成績は校内でもトップクラスだった。
もう一人は、中学時代、彼は同級生として私と同じクラスへ編入されてきたが、彼は私よりも一つ年上で、白血病の治療のために一年進級が遅れていたのである。私は小学生の頃、実はそいつにいじめられていた。いや、私だけでなく、私の友達もろともその同級生とその仲間たちに脅されていた（今にして思えば大したことない話なんだが）。で、病気しても、相変わらずそいつは私にとって嫌なやつだった。何かといえば私にちょっかい出してくる。ほとほと困っていたところ、彼の容態が急変し、入院してしまった。その瞬間、ちょっとせいせいしたが、間もなく彼が治療の甲斐なく死んでしまったことをきかされたときは、なんともいえない複雑な気持ちだった。彼も、病気の克服目指して、私たちの見えないところでかなりきつい治療にも耐えていたのだ、と後で聞かされて、自分を相当呪ったものである。
努力すれば報われる、とはよく言われるが、努力しても報われないことも実に良くある。亡くなった二人の友人も、努力が報われるどころか、その成果が問われる前に命そのものが断たれてしまった。こんな様子を見てきてると、人生、何も考えないで好きなようにお気楽にやってった方が、結局得なんじゃないか、とも思えてくる。
成功は、努力しなければ勝ち取れないもの。それに命懸けるかどうか、というのも限度問題。本当に自分で価値があると認め、ライフワークにすべきと確信したなら、それで死んでも悔いはない‥‥なんて、ホントかな？
1999/04/11
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