衝動

以前に一度ハードディスクを飛ばしてエライ目にあったことがあるので、ちょっと整理などしてみたりする。バックアップの中を整理していると、
何だか懐かしいファイルがぞろぞろ出てきた。昔のパソコン通信のログとか、まだWebとして立ち上げたばかりの頃のMLEXP.のHTMLとか、かつての愛機PC98でないと動作しないファイルなんかも。

中でも、パソ通のログは今読んでも結構面白い。バトルになったようなログも、今読んで見ると、私も馬鹿だったなと思うばかり。怒涛の言い合いをしてみたところで、結局最後には何も残らなかった。学んだことといえば、そういう人たちには何を言っても聞かないのだな、という事くらい。なるほど、当時からこのような風潮はネットにあったわけだ。

ログの中に、懐かしいゲームの話題などがあったりする。昔、MSXというほぼゲーム機のPCが存在したが、それが友人の家にあり、彼の家に遊びに行く楽しみといえば、そのPCのゲームだった。その頃、テープ媒体は既に廃れていて、ロムカートリッジをグサリと差して、ゲームをロードするといったものだった（ファミコンみたいに）。

そんなことを書いていると、何だか無性にそのゲームを今やりたくなる。ロードランナー、アイスワールド、ガリウスの迷宮、夢大陸... おそらく今頃やったところで、かなりショボイゲームなのだろうが、その当時は至上の楽しみと思えていた。今あるようなPSなどのゴツイゲームなんかより、その感動は何倍も大きかった。とにかくTVゲームというもの自体が当時は珍しく、新鮮だったからだと思う。

しかし、今それをすることはできない。MSXはもはやないし、ソフトもあまりメジャーとはいえない（コナミ製はPSに移植されてたっけ？）。その、今はそれを体験できない、ということが、今それをやりたい、という衝動をなお掻き立てる。ないものねだり、というやつだ。ここにもまた世の中の不条理を感じもする。

大体、懐古する中でも最も印象深く愛しいもの、というのは、今現在は既に手にすることが出来ない、既にないものとなっていることが多い。無情なものである。

2001/03/14

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