正義の味方だらけ

世の中にはPS2なるものが出回っているようだ。私も買おうかと考えたが、ネット上の注文受付がパンクした、という話を聞いて諦めた。何でも、今は定価より高い値段でオークションがかかっているくらいだとか。初版本とかいう話ならまだしも、あの機械をそうまでして“今”手に入れなければならない人の心境たるや。何か特別なオマケでも付いてくるのだろうか?ま、どうせドラクエもまだ出ないし、もうしばらく待ても良いだろう。

さて、とりあえず風邪をひいた。最初鼻水ばかり出ていて涙目で、こりゃ遂に今年から花粉症か、と思ったが、どうやら風邪。数日後に呼吸困難になり、週末合わせて約4日寝たきりだった。といっても一人暮らしなので、ずっと寝たきりでは生きていけない。こんなとき、一人暮らしは実に都合が悪い。洗濯はまだ保留できるが、食事だけは取らないことには良くなるものも良くならない。しかし、風邪なので当然のごとく食欲もなく、食欲もないのに自分で食事の準備をして食うというのは実に苦痛なものである。

寝たきりになると、する事といえばテレビを見るか音楽を聴くか、本を読むか、くらい。やはりテレビが一番気になるので見てしまう。休日はともかく、平日の昼間にやってる番組といえば、ワイドショーかつまらないドラマくらい。ドラマは続き物なので見てもわからないから、ワイドショーばかり見ていた。世の中の主婦のお昼の楽しみといったら、こんなものなんだろうなぁ。あのタレントが誰と付き合っているだとか、幼児や女性が惨殺されたとか、監禁されていただとか、どこぞの宗教が何かやらかしたとか。知らなくてもどうでもいい話はてんこ盛りといったところだが、とりあえず自分より不幸な人を見て幸せな気分になったところで、どっこいしょと夕飯の支度でも頑張れるのだろう。

ワイドショーなど見ていると、人の悪口をいう輩は当たり前に出てくる。登場する芸能人もそうだが、ワードショーの出演者にも、お前がいうなよ、といいたくなること多々であった。いかにも自分が的を得ているかのような気分で熱弁を振るう彼ら。それが仕事だからある意味しょうがない部分もあるし、人それぞれ考え方はいろいろということで納得するにしても、一つだけ鼻持ちならないのは、自分の考え方が社会基準のようなことを宣う態度である。

これというのは、実は今の社会で問題になっていることの一つである。一昔前まで、ある程度人のとる態度というのが世間の目に阻まれて落ち着く傾向にあった。ところが近年、自由が自由になりすぎて、かつての反動もあってか、実に節操のない人がわらわらと現れてきている。自己中心で社会がどういうものかをよく知らない割りに、自分の権利だけは頑強に主張する。あげくの果ては、妥協を許さず常に自分が正しい、と思い込むようになる。

自由は大切、悪いのは大人、ある意味情報の氾濫の結果ではあるが、ちょっと知識を得ると、それをいかにも考えて理解した気になる。むしろ、そういう人たちはあまりものを考えていないような気がする。世の中のあらゆる事象を知らないのに、自分の知ってるものが全てのような気になって、その狭い自分のスコープの中で正義を振りかざす。あーだから人間がいる限り、世界から戦争が消えないんだろうなぁ....

2000/03/06


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